今日は気温が上がりました。上着を一枚脱ぎました。草花も元気よく咲き出しています。まさに春爛漫です。境内では、桜が葉桜となり、モクレンも花びらが茶色くなりパラパラと落ちだしています。代わって見事なのが「はなもも」です。赤紫というか濃いピンク色というか実にいい色です。
花無心招蝶 (花、心無くして蝶を招き)
蝶無心尋花 (蝶、心無くして花を尋ぬ)
花開時蝶来 (花開くとき 蝶来たり)
蝶来時花開 (蝶来たるとき 花開く)
吾亦不知人 (吾もまた 人を知らず)
人亦不知吾 (人もまた 吾を知らず)
不知従帝則 (知らずして 帝の則に従う)
良寛和尚の漢詩です。
花の周りを蜂や蝶が舞っているのを見ると、花も蝶も季節を忘れることなく、今この時に開き、今この時に飛んでくるのは、大自然の法則(帝の則)なんだと感じ入ります。
私と山伏さんの出会いも、そんな感じなのでしょうかね。(おおげさですね)
良寛の漢詩とはちょっと違いますが、今日の三条新聞に、当寺の永代供養墓の広告を掲載していただきました。これを見て、訪ねておいでになった方がいました。ご自分の先々のことが心配になったということでした。
写真は、鐘楼堂わきの「はなもも」。奥に散り姿のサクラ。
地蔵尊の、年に一度の御開帳が三条新聞の記事に載ったことで、これをどなたかからお聞きになった山伏さんが,地蔵講当日にほら貝を手にしてお参りに来られました。私も初めて会う方です。白装束をまとい、そのものの格好をしておいででした。年の頃は70歳前後でしょうか。定年後に一念発起して高野山で修行されたそうです。思っても見なかったことで少しびっくりしました。法要をどうしようかと考えた結果、地蔵堂での巡堂の時に、私の太鼓にあわせてほら貝を吹いていただくことにしました。最初はちょっと微妙な感じでしたが、そのうちに何となく合ってきて「魂が通ずる」というのでしょうか不思議な感覚になりました。また、般若心経の読経では、錫杖の先っぽのような鈴でしょうか(名前がわからずすみません)、お経に合わせて鳴らしていただきました。私にとって初めてのおもしろく不思議な体験でした。参詣の方々はどのような感想を持たれたのでしょう。
おときを一緒にとお誘いしましたが、分水の「おいらん道中」を見たいからと去って行かれました。
山伏さん、来年もおいでくださいね。
写真は、地蔵堂巡堂での山伏さん。
暖かくなってきました。県内でも、桜の開花のたよりがありました。外で陽光を浴びるのは気持ちのよいものです。外で行う作務も、冬の雪かき作務から草取り作務、花壇づくり作務、山掃除作務へと変わってきました。昨日は樹木の冬囲いを外したり、花壇の畝を整えたり、外でたっぷりと汗をかきました。
禅修行にとって、作務(労働)の重要性はことのほか特筆されます。座禅や読経と同じくらい作務は修行そのものであると言えます。
作務に関しては、百丈懐海和尚(ひゃくじょうえかいおしょう)に有名な逸話があります。
百丈禅師は中国唐代の禅僧で、作務を修行の一環として重視しました。今に至る禅門の伝統をつくるきっかけとなったのが有名な「一日不作、一日不食」(一日なさざれば、一日食らわず)という言葉です。
百丈禅師は老齢になっても鍬や鎌を手にして畑の作務を率先して行っていました。弟子たちは師の高齢の身体を心配して、作務を休むようにお願いするのですが、百丈はいっこうにやめようとしません。そこで弟子たちは師の鎌や鍬などの道具を隠してしまいます。百丈は仕方なく居室に戻られたが、この日から食事に手を付けようとはされなかった。弟子たちが心配して訊ねたところ、「一日不作、一日不食」とこたえられた。
この語の本質的な意味するところは、「働かざる者、食うべからず」ではありません。作務は修行としての仏法の行為であるから、その行いができないことは命をいただいて「食べる」という行為をすることに値しないということです。
まことに厳しい教えです。
写真は、本堂前の路地に咲き始めた水芭蕉の様子です。
山内不在中にレターパックの配達があって、不在票が郵便受けにありました。差出人には心当たりがなく、しかも遠地の方でした。少し不審に思いましたが(失礼!)、改めて配達を受けました。すると、品名に「ろうそく」とありピンときました。
このHPでろうそくの寄付をお願いしておりましたので、きっとHPを見た方が御奇特にも送っていただいたのだろうと察しました。開封するとその通りでした。大小さまざまな種類のろうそくがはいっており、「4月の(地蔵講の)お祭りに使ってください。」とありました、
びっくりするやら、うれしいやら。私の知らないところでこのHPを見ていてくださる方がいて、こちらのお願いに行動で応えてくださる。まさに仏縁と言えるでしょう。送っていただいたMさん、ありがとうございました。
写真は、大門の地蔵様。新しい赤い頭巾と前掛けをお召しです。これも心ある方からのご寄進です。地蔵様もうれしそうです。