和尚のミニ法話

2014/12/29

坐禅の十徳

私の常用の経本「曹洞宗日課経大全」の中に、『坐禅の十徳』として次の十の項目が記されています。
1.邪念が起こらぬ  2.慈悲心が起る  3.外誘を受けぬ  4.物に拘らぬ  5.智慧が出る  6.五官が静まる  7.忍耐力が出る  8.心が清くなる  9.物に驚かぬ  10.信仰が深まる
うーん、坐禅をした結果そうなるというのでしょうか。私はたまにしか坐を組まないので、とてもそうはなりません。特に9の「物に驚かぬ」。私なんぞはかえって五官が敏感になって、ちょっとした物音にもどきっとしてしまいますが・・・。この十徳のうち一つでも身に付くようになるまで坐禅をしなさいということかな。(年明けから座禅会を週一で開きます。おいでください。)
ところで、新潟日報紙12月13日の文化面に次のような記事がありました。田上町出身で臨済宗大徳寺塔頭松源寺の住持である泉田宗健老師のエッセーです。
『(前略) ある年の大徳寺専門僧堂でのことであった。接心も始まって4,5日過ぎた朝3時ころの坐禅中、突然庫裡や本堂の火災報知器が鳴りわたり、間もなくサイレンの音もけたたましく、消防車が数台、真っ暗な境内に走り込んで来た。しかし、禅堂で坐禅をしている三十数名の雲水(修行僧)は、誰一人としてピクリともしない。泰然自若、外の出来事からは全く離れ、内なる心は乱れず、無心、深い禅定(精神統一)に入っていたのである。
あとで判明したことであるが、警報機の誤作動によるものであった。もし、本当に火事であったならば、古い木造建築でもあり、火の回りは早く、焼死をまぬがれなかったかもしれない。 (後略)』
「ホンマかいな」とも思いますが本当なのでしょう。
臨済禅はいざしらず曹洞禅は余計なことは考えずに坐ることだけに集中です。

写真は、12月8日接心坐禅中の私と上座さん。背ぼんこ(猫背のこと)ですな。