和尚のミニ法話

光照寺の和尚によるミニ法話をお届けします。

和尚様和尚様2

2023/12/01

月日の経つのは早い、と感じるのは・・・

今日から12月。いよいよ臘八接心の始まりですね(本山や修行道場では)。当寺では12月10日にまとめて一日だけの接心を修行します。朝食(お粥)は予約必要ですが、坐禅と諷経は予約不要です。どうぞお好きな時に来てください。

特に年末に近づくにつれ、1年は早いもんだと痛切に感じます。年配の方のどなたでもそうおっしゃいます。若い頃はそうは思わなかったんだが、年をとったら段々とそう思うようになって・・・って。
この感覚は日本人特有のものでなく、洋の東西を問いません。そして現代人特有でもなく、ずっと昔からある感覚のようです。というのは、19世紀のフランスの心理学者ジャネによって学問的に説明されていて、1年の感覚は、10歳の子は自分の人生の10分の1の時間と感じ、90歳の人は90分の1の時間と感じるというのです。ですから感覚的に90歳の人はあっという間に過ぎると感じるのだそうです。これを「ジャネの法則」と言うのだそうです。(ちょっと説明がへたでした。ググって調べてみてください)
月日の経つのが早いと感じるのであれば、なおのこと「出し惜しみしない」で、「いま、ここ、このこと」を大事にしないといけませんね。
ジャネの法則は「じゃねえの法則」ともいう人がいて・・・(笑)

写真:初雪?いえ、初あられです。11月30日の早朝。本堂屋根の下。

2023/11/29

坐禅堂がないので、このようにしています。

12月10日(日)一日接心坐禅会。どうぞご都合の良い時間に坐りに来てください。
お粥の申し込みはまだ間に合います。

当寺には坐禅堂がありません。写真のように本堂西側の間を坐禅部屋にして使っています。
僧形文殊菩薩(聖僧様)は部屋の中央に安置すべきなのでしょうが、法要時にはご詠歌講の方々の居場所になるので、その都度、動かさなくてはならないため廊下側中央の柱を背にしていただいています。大間側には衝立を壁の代わりにしましたが、衝立の折り目の隙間から向こうが見えてしまっているので、ロールのテーブルクロスを掛けて遮断しました。露地にもテーブルクロスを半分掛けて外単にしました。これで一応11人分の単が確保できました。今のところ参禅者はこれで間に合っていますが、今後大勢になれば大間東側の間も使いますのでご心配なく。
私は先代住職に似て、創意工夫することは嫌いではありません。

 

2023/11/28

お経を一緒に読みましょう

12月10日(日)一日接心坐禅会です。朝食(お粥)は予約制ですが坐禅と諷経は申込不要。お好きな時においでください。

月参りで檀家さんにお伺いすると、私の後から続いてお経を上げる方が何人かおられます。ほとんどは般若心経ですが、ありがたことだなあ、うれしいことだなあと感じ入っています。
Sさん宅ではご夫婦して経本を見ながら心経以外のお経でも私について読んでくださいます。私は葬儀や法事では経本を皆さんに配っておりますが、先日Sさんのご主人が亡くなられた際のお通夜の時に、奥様がお経を声に出されました。その声に引っ張られるかのように式場には少しずつお経の声が広がってきました。法要後の法話の中でこのことをお話し「ご主人も喜んでおられると思いますよ。」と申しました。翌日の葬儀式の後半の開蓮忌供養で般若心経をお唱えしましたら、式場にとても大きな大勢の声が響きました。奥様は感極まった様子で涙ぐんでおられました。葬儀なのに嬉しさがこみ上げてきました。ご親族の方は「お通夜では(声を出すことに)少し遠慮しましたが、今日は供養の為に一緒に読みました。」とおっしゃいました。式場の担当者の方は「変な言い方ですが、晴れやかな葬儀でした。初めての経験です。」と私に伝えてくれました。参加した全員でお見送りすることができた葬儀でした。

写真:般若心経

 

2023/11/27

自香(じこう)と借香(しゃっこう)

12月10日(日)一日接心坐禅会:詳細はトップページ左側の「光照寺からのお知らせ」をご覧ください。朝食のお粥は申込制ですので希望の方はお電話で。

焼香に関しての私見を述べます。三具足(花、香、燈明)の中央に香炉を配置しますね。これは香りが仏様の一番の好物であるからなのです。また香は焼香者の心身を浄めるものでもあります。ですから仏様に香を焚きこの身の真心を伝えるのが焼香という行為だということになります。であれば仏様から気に入ってもらえるような良い香りの香をささげたいものです。昔は皆が自分のお気に入りの香を袂に入れ持っていたようです。(体臭の匂い消しの意味もあったかと思います。)僧侶は法要等の焼香では自分の香を焚きます。これを「自香(じこう)」と言います。自香を持っていない時や忘れた時は、そのお寺の住職の香を借りることになります。これを「借香(しゃっこう)」と言います。施食会や出班焼香のある法要で借香する時は、焼香前に堂頭和尚様に問訊(もんじん:合掌低頭すること)し【借香問訊】、焼香後にも問訊します【謝香(じゃこう)問訊】。このように丁寧に礼を尽くす行為をするよう定まっています。
法要や弔事に出向く際、小さな香合に香りのよい香を入れてお出かけになったらいかがでしょうか。(香合でなく白紙に包んで用意するという方法もあります。)
自香であればもちろん焼香銭は不要です。

写真:昨日、役員さんたちから冬囲い作業をしていただきました。ありがとうございました。今年の雪はどうでしょう。少雪だといいのですが。
 

2023/11/26

焼香銭

12月10日一日接心坐禅会 どうぞご都合の良い時間に坐りに来てください。朝食(お粥)は予約制です。定員15人。申込みはお電話で。

先日のある法要の時のことです。出焼香で最初に焼香されたHさんが焼香銭を置かずそのまま自席に戻られました。2番目の方からは焼香銭を置かれていきます。途中で気が付かれたHさんはあわてて再び焼香に出てこられて焼香銭を置かれました。Hさんはちょっとバツが悪そうにしておられました。
当地方では焼香銭の習慣は一般的ではありませんが、当寺によくお参りになる方は大抵が焼香銭を置かれます。焼香銭は、お寺の香を借りて焼香するのでそのお礼としての意味があります。大抵1コイン(100円)です。「香を借りて焼香している」ということがよく伝わっていないので、多くの方にその習慣がないのだと思います。
今日、上法事がありましたので、開始前に「途中で焼香をいただきますので焼香銭のご用意を」と思い切ってお話ししました。皆さん?という顔をされていましたので、「香を借りるお礼の1コインです」と言いましたら・・・皆さん10円玉でした。
自香(じこう)と借香(しゃっこう)については次回で。

写真:焼香箱 箱受け盆に1コインを置きます。