和尚のミニ法話

2024/01/10

祖院の被災状況をYouTubeで見ました。

能登地震から時は刻々と過ぎていますが、いまだ被害の全容はつかめぬままのようです。不明者もまだ多くおられ、何もできない私はTVの前で歯がゆい思いをしているのみです。
発生当初から祖院のことが気にかかっていました。輪島市門前町にある宗門の大本山總持寺祖院。平成19年の能登半島地震で大きな被害を受け、14年かけて修繕復興を進めて、令和3年に完全復興宣言をするとともに落慶法要が営まれた祖院です。今年は開創の太祖瑩山禅師の700回大遠忌の年に当たります。私は昨年の6月に祖院で行われた700回大遠忌予修法要に参詣するご縁をいただき、教区の護持会長さんとお参りをさせていただきました。とても美しく整えられた伽藍に感動したものです。(祖院復興に当たっては、我々末端寺院も寄進という形で協力いたしました。)
この度の様子についてYouTubeでアップされているとのことでしたので、早速見てみました。惨憺たる状況です。役寮さん、雲水さんらは無事のようですが、画面に映し出される有り様に残念で悔しい思いです。門柱が傾き浮き上がり、灯篭が倒れています。山門へと続く石畳がめくれ上がっています。塔頭の芳春院が、手指を浄める浄水舎がペシャンコです。山門から香積台に続く回廊が全壊しています。等々  太祖堂は、その内部はどうなっているのでしょう。気がかりです。 
本日付けの中外日報web版では、「曹洞宗寺院は、北陸4県で全壊10ケ寺、伽藍の一部損壊は51ケ寺を数える。總持寺祖院は回廊の全壊など伽藍全体に及んだ。」とあります。石川県宗務所長屋敷老師は「17年前に戻ってしまった」と嘆いておられたそうです。
大本山永平寺はお父さん、大本山總持寺はお母さんと教えられて育ってきた私は、母の大病におろおろする仔犬のようなものです。

写真:被害を伝える日テレニュース(YouTube画面)。アナの左後ろが山門。右手に全壊の回廊、その奥に香積台が見えます。