和尚のミニ法話

2019/07/10

越えられない壁

お檀家さんの月参りの時は、仏壇のお供え物に目がとまります。お供え物から話題が広がっていきますから。
昨日のお宅には笹団子が備えてありました。作り立てでいかにも奥さんのお手製であることがわかりました。「笹団子こしらえたんですね」と話しかけると、亡くなった息子さんの好物であったことや、自分の幼少のときの思い出や、その作る過程での苦労の様子やら、いろいろとお話が聞けて良かったです。
「笹にくっついてしまうのとそうでないのものの違いは何でしょうね。」とお聞きすると「柔らかさだね」とのこと。「今回のは柔らかすぎて笹離れが悪くあんこが飛び出てしまうようになってね。なかなか上手にはいかないものです。」「私も何十年と作っているけど、(作り方を教えてくれた)叔母のようにはいかなくてね。叔母はさすがだわ。」「この前も叔母と一緒に作ったんだけど、その時は上手にできたのに、今日一人で作ったらこの有様よ。」「免許皆伝にはまだまだだね。」
『亀の甲より年の劫』いくつになっても越えられない壁はあるもんです。

今朝のアジサイは「泉鳥(いずみどり)」
淡い青がとてもきれいです。