和尚のミニ法話

2016/06/25

順現報受・・・モナラベンダーとバラ

住宅工事をしているとさまざまな方が出入りします。生コンを運んできた女性の作業員の方(今注目の土木女子「ドボジョ」です)の話です。
彼女が軒下に並べてあるモナラベンダーの鉢植えを見て、「これ何という名ですか」と聞いてきました。モナラベンダーは家内が好きで、挿し芽をしてたくさん増やしています。ラベンダーなのですがシソの仲間のようで、葉の裏が赤シソの葉によく似ています。夏の終わり頃から咲き出しますが葉も鑑賞に向いています。彼女に一通り説明した後、彼女の興味に応えたくなって一鉢差し上げようと思い、家内を呼んで選んでもらいました。女同士しばらく花談義をしていましたら、彼女が「バラを持ってきましょうか」と言います。私と家内は顔を見合わせてしまいました。と言うのは、境内にもバラの木がありピンクの花を咲かせていましたが、手入れが回らずほっておく状態でした。工事の機会に倒してしまったばかりなのです。そこへ「あげましょうか」と言われたものですから植える場所もないし上手く育てる自信もないので少し困惑してしまったのです。ですが、せっかく言ってくれる彼女に失礼で、家内はうまく断ることができないまま終わってしまいました。
「バラ持ってこられたらどうする」「いらないと言えばよかったね」「そんなこと言えるわけないでしょ」・・・というような会話をしていたら、玄関のピンポンが鳴り、家内が出たらなんと彼女がバラの花束をもっておいででした。私たちはてっきり根付きのバラの鉢植えのことだと思い込み「どうする?」などと困っていたわけですが、切り花だとは思いもよりませんでした。彼女はバラが好きで、庭にいろんな種類のバラを育てている様子でその何種類かのバラを花束にして持ってきてくれたのです。家内は大喜びでさっそく花瓶に活けていました。そして、たったさっきあげたばかりなのにすぐお返しを持ってきてくれた早さにもびっくりしました。「情けは人のなめならず」と言いますが、こんなに早く自分に巡り回ってくるとは。

仏教の根源的な考え方は因果応報です。今の自分の在り様は過去の因によるものであり、未来へ影響を及ぼすものである。自分の行いの影響力(結果)の現れ方は時間差があり、この世で結果を受けるのを「順現報受」、次の世で受けるのを「順次生受」、ずっと先の世で受けるのを「順後次受」と言います。
モナラベンダーという「因」がバラという「果」になってかえってきました。順現報受でしたのでうれしさ倍増でした。