和尚のミニ法話

2016/06/03

いつまでも あると思うな この命

「いつまでも あると思うな・・・」と言えば、下の句は「親と金」ですが、先日のお通夜法話では、「いつまでも あると思うな この命」としてお話しをさせていただきました。
私の場合、お通夜は「無常」をテーマに進めていきます。諸行無常、万物は流転する。仏教の根源的な捉えを皆様にわかりやすくお話ししています。このときにぴったりなのが梅花流御詠歌の「無常御和讃」です。  ♪人のこの世のはかなさは・・・・で始まるこの御詠歌を導師入堂の前にCDで流します。歌詞は印刷して皆さんに配ります。そして法話の時に歌詞の意味をかみ砕いてお話しします。

いつまでも未来永劫に続かないこの命なのだから、今この時に輝かせなかったらいつ輝かせるのか。輝かせ方はその人なりです。ある程度の齢を重ねてくれば、世のため人のために輝かせることも大事ですよ。とそんな話をしています。

関東のお通夜に行ったとき、お経が終わり法話をしようと振り返ったら親族の方しか残っておらず、参列の方は食事会場に移っていてびっくりしたことがあります。新潟ではありえないのですが地方によってさまざまです。お通夜は故人との最後の別れの式ですが、人の命の在りように想いをめぐらす機会でもありますので、参集の皆さんにお話ししたいです。そこで思いついたのは、お経の前に法話をするということです。これならば皆さんにきいていただけますもんね。葬儀屋さんとの打ち合わせでそう言うと、いい手ですねと感心していただきました。