和尚のミニ法話

2014/09/24

彼岸会にて

9月23日は彼岸の中日。彼岸会の法要を行いました。東堂様と私と智玄上座さんと三人でお勤めをしました。三世代そろってのお勤めはなかなかいいもんですね。お参りいただいた方にも好評だったのではないかと思います。
彼岸法要の後の法話はこんなお話をしました。

今日は彼岸の中日。前三日、後ろ三日、計一週間が彼岸の期間です。彼岸というのは、彼方の岸、つまり仏様のいる極楽のことです。それに対してこちら側の岸を此岸(しがん)と言いまして、私たちの住む世界で、悩みや苦しみや煩悩の多い世界のことです。私たちは此岸から彼岸へと渡りたいと願うのですが、彼岸に渡るには六つの船があり、これを六波羅蜜と言います。六つの教えと言ってもいいでしょう。一つには「布施」。他人に施しをすることです。修証義に「布施というは貪らざるなり」とあります。二つには「持戒(じかい)」。仏の戒律を守り行いを反省することです。三つには「忍辱(にんにく)」。不平不満を言わず耐え忍ぶことです。四つには「精進(しょうじん)」。精進努力することです。仕事や自分の役割に精励することです。五つには「禅定(ぜんじょう)」。心を平らかにして安定させることです。六つには「智慧(ちえ)」。真実を見る正しい智慧を働かせることです。
彼岸明けまでもう少しありますが、皆さんはどの船に乗りますか。愚痴をこぼすことが多くなったから少しは慎もうとか、何でも独り占めしないでほかの人にも分けてあげようとか、何か一つでもいいので実行してみましょう。

法要後、家内に「今日のお話はよかったよ」とほめられました。「内容もよかったし、時間も短かったし」とのこと。言いたいことを短くスパッとがいいのですね。(ん、このブログも同じですね。今日は長かったかな)

写真は彼岸花。忘れずにこの日に咲くのですね。