和尚のミニ法話

「2016年04月」の記事

2016/04/22

現代の”与作”は凄い

♪与作は木を切る、ヘイヘイホー♪ 「木こり」という言葉には、斧を木の根元に振り下ろす、昔ながらのイメージがありますが、どっこい!現代の木こりは凄いですよ。
今、庫裡の一部改修と住宅工事に併せて、本堂裏山の杉の大木を伐採しています。伐採は南蒲原森林組合にお願いしたのですが、そこの「特殊作業員」 の技が見事で目を見張ります。幹周囲3mもあろうかという大木を腰ロープと足の鉄爪でするすると登っていきます。チェーンソーで枝を打ちながら、写真のようにあんな上までいとも容易く(のように見えますが本当は大変な苦労なのでしょうが)上がります。そして、幹先をチェーンソーで切り落とします。その後地上に下りて、根本にチェーンソーを入れて切り倒します。倒れる時は凄まじい音がしますよ。彼の話では、枝をつけたまま切り倒した方がクッションになっていいのだけれど、倒す周囲を傷めることになるので、住宅に近いところではこの方法をとるのだとか。重機が近づけるところならば、重機で吊って幹上から切り落としてくることもできるのですが、大型重機が入らず、写真のクレーンも届かない場所なので。
彼らの格好もシャレていまして、欧米のチェーンソーメーカーの名の入った作業服とヘルメットを身に付け、レンジャー部隊というか海上保安庁海猿というか、そんな感じでかっこいいのです。そして何よりも彼らが若いということ。林業復活には、彼らの活躍が欠かせませんね。(まあ坊主の世界でも、青年僧侶がきびきびと動くのはかっこいいです。)

2016/04/13

仏様の好物は

仏様へのお供えは、まずは香華灯燭(こうげとうしょく)。仏壇前机の中央に香炉(線香立て)を置き、左に花立て、右に燭台を置きます。これらを具足といい、写真のようにそれぞれ一つ置くのを「三具足」、花立てが二つ燭台が二つ計5基置くのを「五具足」と言います。特に、中央に香炉を置くことでわかるように、一番大切なお供えは「香り」なのです。仏様の大好物は香りだということです。普通は線香を立てますが、線香にもさまざまな香りのものがありますね。私は白檀系の香りが好きなのですが、人によってはきついと言われます。「ラベンダーの香り」とか「桃の香り」とかの線香がありますが、人工的な香りのものは好きではありません。
たまに、花とロウソクの位置を間違えておられる方があります。私は師匠から「砂糖桶」と覚えるのだと教わりました。仏様から見て、左に灯・右に華。つまり、さとううけ⇒さとうおけ⇒砂糖桶ということです。ところが仏様から見てというのを忘れて逆にすることがあって叱られたことがありました。
仏壇の前に座ったら、香華灯燭を弁備して、心を静かに落ち着けてから合掌してお参りいたしましょう。