和尚のミニ法話

2024/04/06

主なきとて・・・雪割草は咲く

春色無高下(しゅんしょくにこうげなし)。さくらの開花ももうそろそろですが、上ばかり見てないで地面も見てください。そこにも春の花が咲いていますよ。
ということで「この時期になるとご主人を思い出す」と言う奥さんの話です。
先日、月参りに伺ったら、「方丈さん、雪割草が咲いたんですよ!ほら、見て」とうれしそうに話されました。「雪割草は主人の趣味でいろいろ買い求めて大事に育てていたんです。でも私はそんな趣味はないし、育て方もわからないので、主人が亡くなった後は、その辺に置きっぱなしでした。何にも構わないのに、ほら、きれいに咲いたんですよ。」「主(あるじ)なきとて・・・で春を知らせてくれました。毎年こうなんです。雪割草を見ると主人のことを思い出すんですよ。」そう話される奥さんの顔はとても晴れやかで嬉しそうでした。

写真:本堂前の雨受け堀のミズバショウ 年々小さくなってきています。ちょっとピンチかな。

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