和尚のミニ法話

2023/10/03

「出し惜しみしちゃダメよ」

先日、永平寺布教部長をお勤めになった渡邊宣昭老師(田上町東龍寺御住職)の法話を聞かせていただく機会がありました。老師のお話の中で心に残ったことがありましたのでお伝えします。
「出し惜しみしちゃダメよ」脚本家の橋田壽賀子さんが、後輩の内館牧子さんに最初に脚本を手掛ける時に送ったアドバイスだそうです。「長く続くドラマだから、この話は後に取っておこうと考えがちなの。でも、あとのことは考えないで、どんどん投入するの。出し惜しみしないで向かえば後で窮しても必ず道は開けるものよ。」
老師のその日の法話のタイトルは「今、ここ、このこと」でした。まさしく出し惜しみしないで、今ここでこのことに全精力を傾ける。さらに言えば、今この場所で自分を精一杯生かしきる、今できる最高の務めを果たす、ということでしょうか。
私はお通夜の法話で「無常」についてよく話します。「明日をも知れぬ命だから」などと言いますが、「今、ここ、このこと」の連続をが仏道修行なのだなあと改めて感じ入りました。

写真:遅ればせながらの彼岸花。彼岸が過ぎてもう十日余。さすがの彼岸花も今年の猛暑に時の知らせがずれたようです。